インタビュー/Orbray副社長・和田統氏 調達先に訪問、情報共有

(2024/9/26 12:00)

―精密宝石や光通信部品など幅広い素材・製品を扱っています。調達体制は。

「調達品目が多岐にわたる上、仕入れ先が約1000社と多い。本社で一元管理するのは難しく、秋田県の湯沢市、横手市、青森県の黒石市にある国内3工場とタイの工場にそれぞれ独立した調達部門を置いている」

―調達を円滑に進める上での工夫は。

「1000社のうち重要な原材料や部品を調達している主要仕入れ先に対し、定期的な訪問やミーティングを実施している。事業環境が変化したコロナ禍以降は、各工場の調達担当者が定期的に会議を開き、調達に関する情報やノウハウを共有する場を設けた」

―調達での課題は。

「半導体や電子部品の調達が長期化している。平時は発注から数カ月程度で調達できていたが、今は1―2年程度かかっている状況だ。銅などの資材価格も高騰している。情報収集に力を入れ、各部素材を安定調達できるように心がけている。米中対立などのリスクを考慮し、中国以外の地域からの調達拡大も進めたい」

―環境や人権に配慮した調達を求める機運が高まっています。

「グリーン調達ガイドラインを策定済みで、仕入れ先の選定基準として品質や価格、納期などに加え、環境保全活動を評価項目に加えた。二酸化炭素(CO2)排出量の削減についても仕入れ先への監査を通じ、状況を把握している。環境・社会・企業統治(ESG)経営の推進に向け、6月には国内外の各拠点でプロジェクトチームを発足し、環境や労働・人権、持続的な調達などに関する施策の策定を進めている。2024年度内にまとめたい」

  • 調達先の開拓を積極化し供給網を盤石にする(オーブレーの秋田県内の生産拠点)

―注力する取り組みは。

「米国を中心とした海外売上高比率の拡大や国内仕入れ先の廃業が増えている現状を踏まえ、東南アジアにおいて調達品目や仕入れ先を増やしたい。25年内にタイのバンコクに仕入れ先の発掘や仕入れ先の監査を行う拠点を新設する計画。タイ国内に加え、ベトナムやマレーシア、インドネシアなど周辺国にアプローチしていく」

※取材はオンラインで実施。写真は同社提供。

(2024/9/26 12:00)

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