(2024/9/27 12:00)
若い頃に読んで記憶に残るのは本多勝一、畑正憲、陳舜臣、大江健三郎、ドストエフスキーらの著作。大学では経済学部なら読んでおかなければとマルクスやレーニンの全集を買ったり、解説本をいろいろ読んだりしたが身に付かなかった。
福岡市役所に入り、通勤の電車では本を読んでいた。歴史物が中心で、特に好きなのは塩野七生著『ローマ人の物語』。中国の古典も多い。今の社会に引きつけて考え、生き方を学んだ。
市役所時代の思い出深い1冊は伊藤肇著『人間的魅力の研究』だ。お世話になった弁護士にいただいた。困難な仕事に取り組み、解決策を一緒に模索していた時期だ。経営者らの話を通じ、人はどう品格を持って生き、深みのある人になるかを書いている。人は苦しい時にこそ育つもので、困難を乗り越えて成長してほしいという激励だったのだろう。
エズラ・F・ヴォーゲル著『現代中国の父 鄧小平』は、福岡市の「福岡アジア文化賞」の審査の一環で読み、同氏は受賞した。鄧小平は大変な目に遭っても思い切った改革開放を進め、中国が大国になる基盤をつくった。せめぎ合いの中で生き抜いてきた様はすさまじい。
恩田陸著『蜜蜂と遠雷』は、演劇専用劇場である博多座(福岡市博多区)で2021年に公演した音楽劇の原作小説。新型コロナウイルスの感染拡大で休演が続いていたが、慎重に再開しようと準備していた時期に読んだ。公演は、同様に大変だった九州交響楽団と「一緒に頑張りましょう」と共演した。
トッド・ローズ、オギ・オーガス著『Dark Horse(ダークホース)「好きなことだけで生きる人」が成功する時代』は、自分がこう生きたいとの思いを貫いて成功していく例が書かれている。面白いと思うことや興味があることを続けている。人が自分を生かせる道はそれぞれだ。充足感を持てる生き方を追求していいし、社会にはそれを認める寛容さがあるべきだと考えさせられた。
(2024/9/27 12:00)
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