(2024/9/30 12:00)
ナベヤ(岐阜市、岡本知彦社長)は、工作機械などで使われる標準仕様の治具やマシンバイス、機械要素部品を得意とする。扱う品目は1万点以上で「穴を三つ開けて」などの追加加工も引き受ける。主力工場の本巣精密工場(岐阜県本巣市)では売れた製品を補充するだけで一定以上の在庫は持たない多品種少量生産を徹底。ロボット導入での自社製品の活用例も示す。
2021年2月には5軸制御マシニングセンター(MC)、産業用ロボットと一緒に、専門知識なしで多品種少量生産に使えるDMG森精機のロボットシステム「マトリス」を導入した。加工対象物(ワーク)を固定し段取りを終えたパレットを多数保管でき長時間の無人運転が可能だ。
関連治具は当然自社製だ。さらにロボットハンドの爪、治具を複数固定したパレットの着脱システムも内製した。「治具以外も特注で販売できる」と増田智昭工場長は話す。
同工場は8―17時と15―24時の2直勤務体制だ。マトリスなどの導入で夜間の無人加工が可能になった。5軸制御MCの本格導入も初めてで、1パレットへのワークの多数個付けなど工程集約も徹底。段取り回数を従来の4分の1にでき、1日の設備稼働率を68%にした。
同工場では、バーナーでの手作業だったマシンバイスの摺動(しゅうどう)面への焼き入れも全てレーザーでロボット化した。増田工場長はロボット化の効用を「属人の作業を標準化し品質を向上できる」と評価する。「人手不足の中、自動化は避けられない」としつつ「人しかできない仕事を明確にし、付加価値を高めていくことも必要」と意欲を見せる。
ナベヤは近年、工数削減や工程集約、自動化に寄与する治具製品の提案も強化中だ。本巣精密工場でも自社製品を積極的に活用する。「自社工場自体がショールーム」(増田工場長)と位置付け、工場見学も多数受け入れている。「自社でも工程削減、工程集約、自動化を追求する」と増田工場長は意気込む。
(2024/9/30 12:00)
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