(2024/9/30 17:00)
金沢大学の鈴木陽介准教授は、移動作業ロボット向けの近接覚ハンドを開発した。3本の指が把持対象を検知してつかみやすい形をとる。物の裏側など、カメラから直接見えなくても把持できる。自動制御をハンド単体で完結させた上で重量を600グラムに抑えた。可搬重量が小さな移動作業ロボットに搭載できる。生活支援などに提案していく。
四つの能動関節を持つ指3本でハンドを構成した。各指の旋回軸は一致しており、無限回転する。そのため3本指でつまんだ対象をつかんだまま回せる。ドアノブやペットボトルキャップのような回転操作が容易になる。
指先には近接覚センサーを配置した。24個の赤外LEDの反射光を15個のフォトトランジスタで受ける。反射強度によって指先から把持対象まで距離を測る。把持対象の形に合わせて指を添えるなど、やわらかな動きが可能になる。このなじみ動作は受動機構でも実現できるが、近接覚を用いると対象に応じて切り替えられる。
各指制御に加えてLEDの発光強度調整や電池、無線通信機能をハンド単体で完結させた。重量が600グラムと小さく、アームの可搬重量を節約できる。移動作業ロボは重量制限が厳しく、またハンドのために制御プログラムなどを増やすと手間になる。ハンドで完結すると使い勝手がよい。同時に生活支援ロボは多様な日用品を扱うためハンドの高機能化が求められていた。内閣府・科学技術振興機構(JST)のムーンショット型研究開発事業で開発した。
(2024/9/30 17:00)
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