中央製作所、停止しないメッキ設備構築

(2024/9/30 12:00)

  • メッキ自動制御・管理システム「CCCS」で予防保全システムを提案する

メッキ加工で製品の品質確保、生産性の向上を図るため、中央製作所はメッキ設備のIoT(モノのインターネット)化による予防保全システムを提案している。核となるメッキ自動制御・管理システム「CCCS」は通電制御、工程管理などの機能に加え、搬送機(キャリアー)や整流器などの異常監視を通じて設備のメンテナンス情報を提供。生産現場で“停止しない設備”構築を支援し、自動化ニーズに応えている。

CCCSはパソコンとプログラマブルコントローラー(PLC)を使い、メッキ設備の制御とデータ管理を行う。キャリアーや電源装置の制御、加工対象物(ワーク)の履歴データの作成など用途に応じて各種タイプをそろえる。

1957年に自動メッキ装置を生産開始し、80年代からパソコンを利用した制御技術に取り組んできた。故障の事象、部位データの蓄積が強みだ。

データ収集・保管に適したCCCS―Dタイプは省力化、品質向上を支援する。オジックテクノロジーズ(熊本市西区)では、アルマイト処理の作業データの取りまとめでデジタル変革(DX)化とペーパーレス化を実現。自動化により、ヒューマンエラー防止や歩留まりの改善に役立てている。

近年、提案に力を入れているのがメッキ装置の保全に関するメンテナンス情報を提供するMタイプ。生産現場の三つの「みえる化」と「使える化」を開発コンセプトとする。

「改善、予防保全では可視化が重要」(中央製作所の音羽伸哉経営企画室長)という。生産現場のデータをリアルタイムに収集する「見える化」、収集したデータを画面に表示する「観える化」、分析・解析結果を生産現場にフィードバックする「診える化」と多様な視点で表示。機械部品の交換時期をアラームで警告するなどでトラブルを未然に防ぎ、故障を減らす予防保全につなげる。

客先のメッキ設備の緊急トラブルに対応するため、リモートメンテナンスの体制を整えた。今後は人工知能(AI)とIoTの融合による開発を強化し、データ活用を発展させる考えだ。

(2024/9/30 12:00)

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