(2024/9/30 05:00)
2025年の春季労使交渉(春闘)は「定着」のフェーズとしたい。経団連の十倉雅和会長はそう指摘する。23年は賃上げ「起点」の年、24年は「加速」の年だったとし、25年は賃上げを持続可能にする年にしたいと意欲を示す。賃上げを定着させるには「労務費を含む価格転嫁が重要との認識を、ソーシャルノルム(社会的規範)として普及させる必要がある」と続ける。政府は年内にも下請法改正案を取りまとめる方針だ。「買いたたき」への厳正な取り締まり効果も期待したい。
経団連によると、24年春闘の賃上げ率(加重平均)は大手企業が5・58%、中小企業は4・01%だった。この格差を是正し、賃金の底上げを図る上でも取引適正化が欠かせない。
経済同友会が7月にまとめたアンケート結果によると、25年春闘で賃上げを実施予定の企業は67・6%と、前年同期比21・6ポイント増えた。賃上げ率は「4―5%未満」が30・3%と最多で、今後の上方修正に期待したい。
サントリーホールディングス(HD)が25年春闘でベースアップと定期昇給で7%程度の賃上げを目指すと表明した。約7%の高水準は3年連続。他の大手にも意欲的賃上げが「定着」するか注目したい。
(2024/9/30 05:00)