(2024/10/4 05:00)
大規模災害の被災地といった過酷な環境下、ロボットはどこまで能力を発揮できるのか。最先端のロボット技術やソリューションを競う競技会が4、5の両日、福島ロボットテストフィールド(福島県南相馬市)で開かれる。2025年に開催される「ワールド・ロボット・サミット(WRS)2025」のプレ大会となる。本大会への機運を醸成しつつ、ロボットの社会実装を促す契機としたい。
「WRS2025」は、経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の共催により、25年7月から12月にかけて、大阪・福島・愛知の3府県で開催される。世界の最先端ロボットが技術を競い、新たなイノベーション創出の契機とする狙いを込める。4日から始まるプレ大会では、競技難易度の検証なども行うという。本大会の円滑な開催につなげ、ロボットの本格的な社会実装に向けた歩みを加速していきたい。
プレ大会は、福島国際研究教育機構(F―REI)の主催。大規模災害やプラント災害などを想定し、ドローン(飛行ロボット)などによる緊急対応能力などを競う。実施する4競技のうち「過酷環境ドローンチャレンジ」は、被災状況の調査や救援物資の供給、建物内の要救助者の探索などを行い、正確性や迅速性が試される。能登半島地震でもドローンは捜索や物資輸送に使われた。一段の機能強化につながると期待したい。
プラント災害を想定した競技も行う。災害場所の捜索や消火をロボットが迅速に対応できれば、サプライチェーン(供給網)への影響を最小限にとどめる効果なども期待できそうだ。
WRS本大会では、こうした災害対応に加え、サービスやモノづくりの各分野でも世界の最先端ロボットが技術を競う。ロボットは人手不足を補う生産性向上にとどまらず、新たな価値やビジネスを創出し、成長型経済への移行を円滑にする。経団連も4月、「人工知能(AI)・ロボット大国」実現に向け、今後3年程度は政策総動員で支援するよう政府に要望した。政府の後押しにも期待したい。
(2024/10/4 05:00)
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