インタビュー/ リプライオリティ社長・中山伸之(しんじ)氏 アカモク生産、販売と同時拡大を

(2024/10/10 12:00)

―海藻のアカモクを商品化したきっかけは。

「現在、Dツ―C(消費者直接取引)、リテールメディア、通信販売の3事業を展開している。2012年に自分たちが得意とする通販企業向けプロモーションのノウハウを使って通販の事業主体になることを目指した。2年間ほど基礎化粧品や食品などいろいろ試しているうちに、金融機関出身の人から、『アカモクを原料とした化粧品の事業をやってみないか』という提案を受けて始めた。加工現場を見学すると食品のイメージがひらめいた。やってみたらよく売れた」

―アカモクを取り扱う上での課題は何でしょうか。

「漁業権の問題がある。アカモクについては各地の漁業協同組合が地域単位でルールを持つ。それぞれの関係者との信頼関係と継続が重要になる。本当は現在の10倍の販売を理想としている。全国には稼働していない漁港が多く、そうした漁港を活用してアカモクの養殖をしたいところだ。しかし、販売力と生産能力の強化を同時進行させないと難しい。現在、山口県から佐賀県までの漁港から、年間240トンのアカモクを獲得している。品質管理は我々で徹底する。水産加工会社で異物混入など安全性や、色や粘りをチェックし指導している」

  • 健康食として期待されるアカモク

―アカモクのサプライチェーン(供給網)拡大に対しては、どのような考えがありますか。

「海藻は生き物なので生のままの輸送は難しい。全国に拡大するなら水産加工会社を増やさないといけない。なかなか一気にはできない。漁業協同組合や水産加工会社にこまめに顔を出して自分たちも頑張っている姿勢を見せて少しずつ拡大してきた。小売りは初めてのことだったこともあり、当初、解凍時の液漏れなどの課題があった。原因として考えられるところを一つずつつぶして改善してきた。(供給網の)拡大には使われなくなった漁港の活用などが考えられる」

(2024/10/10 12:00)

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