(2024/10/29 12:00)
2000年にNTT東日本でインターネットプロトコル(IP)接続サービス(現フレッツ)の立ち上げを担う課長になりました。初めての管理職で「私にできるかな」と不安な気持ちが先に立ちましたが、当時の上司から「会社が君を担当課長に決めたのだから、たとえうまくいかなくても君のせいじゃない。会社のせいだと思えばいい」とアドバイスをいただき、肩の荷が下りました。
IP接続サービス担当課長は前任者がいない新しいポストでした。定額制のフレッツという新しいサービスを立ち上げる非常にフラットな組織だったので役職を意識せず、市場を立ち上げるために何をするべきかをベースに、役員に直接メールを送るなど迅速な決断も求められました。
NTT東は当時、固定電話や専用回線が収益の柱でした。定額制のフレッツの導入に際し、インターネット接続サービス(ISP)事業者から猛反発を受けました。NTTからISDN回線を仕入れてダイヤルアップ接続サービスを行っていたISP事業者の投資が定額制の導入でムダになってしまうと感じたからです。
「ISP事業者のサービスと組み合わせた定額制のインターネット常時接続サービスの導入は市場拡大につながる」―。私を含む担当3人がISP各社と交渉し、合意を得ながら新しいビジネスモデルを生み出した結果、フレッツはISP60社との接続を実現し、収益の柱に育ちました。
その後も役職の7割が前任者のいない新しい組織やミッションの新ポストでした。新しい組織だからこそマーケットインの視点でサービスを世に出す体験ができたことが非常に大きかったです。
会社側の論理でサービスを提供するプロダクトアウトをしがちです。2回の出産で計約3年半の産休・育休を経験し、生活者目線をあらためて体感しました。このことも顧客ニーズに寄り添うサービスの重要性を認識することにつながったと感じています。
(2024/10/29 12:00)
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