インタビュー/H.U.グループHD プロキュアメント本部・多田功氏

(2024/11/7 12:00)

検査試薬 仕入れ経路調整 グローバル展開生かす

―調達管理の組織体制は。

「調達を担う『プロキュアメント本部』は、経営陣が中心となって2019年に大きく組織を改変した。特に、情報収集と分析を行う『インテリジェンス課』と、取引先と一体となって調達戦略を立てる『パートナーマネジメント課』は特徴的な部門だ。仕入れの過程や品質管理、コストの最適化を先回りして実践する体制へと刷新し、安定供給に取り組んでいる」

―新体制はコロナ禍にどう機能しましたか。

「H.U.グループホールディングス(HD)は検査や検査に必要な試薬の製造など新型コロナウイルス対策のど真ん中の事業を手がけており、需要の急激な変化に対応することが求められた。新体制では1次取引先(ティア1)だけでなく2次取引先以降の製造現場とも直接コミュニケーションし、先回りして調達不安を解消する仕組みが整っており、現場で起きていることを迅速に収集できた。部材が入ってこないといったことも発生したが、リードタイムの短縮や製造の調整などの戦略を立てられる体制が役立った。有事に実践してきたことを現在も継続しており、平時の安定供給につながっている」

  • コロナ禍で検査の需要が急激に増加した

―現在の調達リスクと対策は。

「感染症流行のほかに気候変動や紛争など、製造と流通のリスクは多い。日本市場は世界市場からみると規模が小さく、部材調達の優先度が低いことをコロナ禍に実感した。H.U.グループHDはグローバルで事業展開している強みを生かし、仕入れルートを調整して安定供給に努めている。また、データの活用で早期にリスクを検知するといった対策を行っている」

―どのような人材が必要ですか。

「H.U.グループHDのサービスのエンドユーザーは患者。医療を止めないことを最優先に考えながら、対応に濃淡をつけられる能力が必要だ。ベースとなる財務の知識のほかに現場でモノの流れやオペレーションを総合的に学んでもらい、想像力を働かせられる人材の育成に取り組んでいる」

(2024/11/7 12:00)

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