9月の実質賃金、0.1%減で2カ月連続減 物価上昇に追い付かず

(2024/11/7 17:00)

厚生労働省が7日発表した毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、物価の変動を加味した働き手一人当たりの9月の実質賃金は前年同月より0・1%減り、2カ月連続のマイナスとなった。物価の伸びは政府による補助金効果で8月に比べ鈍化したものの、名目賃金に当たる現金給与総額が伸び悩んだ。

9月に賞与を支給する事業所がみられ特別給与は前年同月比16・1%増と高い伸びを示したが、時間外手当など所定外給与が同0・4%減とマイナスに転じたのが響いた。結果、現金給与総額の上昇率は8月と同水準の2・8%増にとどまり、実質賃金を押し上げるには力不足だった。

実質賃金の算出に用いる9月の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は同2・9%の上昇で、8月の同3・5%より縮小した。実質賃金は8月に3カ月ぶりにマイナスに転じたものの、政府による電気・ガス料金の補助金再開による物価鈍化で再びプラスに戻るとみられていた。

エコノミストや日銀が注目する「共通事業所」ベースでみても名目賃金の伸びは鈍化傾向にある。9月の現金給与総額の上昇率は同2・9%増にとどまり、8月の同3・5%より縮小した。所定内給与の伸びも8月の同2・8%から9月は同2・7%とわずかに縮小した。

10月は特別給与の伸びが見込まれず、名目賃金は前年同月比2%台で推移する基調に大きな変化はみれないもようだ。その上で厚労省の担当者は「10月から適用される最低賃金の引き上げに注目したい」と話している。

(2024/11/7 17:00)

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