(2024/11/12 12:00)
ボッシュは職種・階層別研修など年約330回、130を超える種類の研修を提供し、従業員のキャリアを支援している。会社が決めたタイミングで受講を強制するのではなく、業務や将来を考え自らが必要だと思えば申し込んでキャリアや生き方を選ぶのが基本だ。クリスチャン・メッカー社長は「事業展開の要は人。人口減少が進む中、多様な人が入社を希望し働き続け、スキルを向上し続けたいと思うシステムが必要」と狙いを明かす。
ボッシュグループは世界7カ所にあるトレーニングセンターを軸に世界の従業員に研修を提供している。世界共通の研修を、日本の顧客・従業員に即した内容に作成し直し提供するのが日本の人事部門だ。同部門の担当者が現場会議に参加し、各現場のニーズに合う研修を1から構築するものもあるという。
ボッシュは技能を習得する研修のほか、自身の資質や強みについて理解を深める「クリフトンストレングス」や「MBTI」といった研修も積極的に取り入れている。高原美香ボッシュトレーニングセンタージャパンセクションマネージャーは「弱みの改善ではなく強みを知って業務やキャリアに生かし、いかに伸ばせるかが大事」と説明する。
自動車業界を取り巻く電動化やソフトウエア定義車両(SDV)など多くの技術課題に迅速に対応するには組織の一体感は欠かせない。「1人のスーパープレーヤーも良いが、皆の個性や強みで網羅的に課題に対応できる組織を目指している」(ボックまり子人材開発グループセクション・マネージャー)。
ボッシュは、学ぶことの重要性に気づいてもらう仕掛けも多く準備。例えば昼食をとりながら電動化や人工知能(AI)などのキーワードを学べるオンランセッションだ。「研修」と聞くと1―2日がかりで取り組むイメージが先行し、また職場を空けるための前準備などで心理・体力的ハードルが上がってしまう。そこで「気負わず“ちょっと聞いてみよう”ぐらいの気持ちで参加したら実は学んでいた、という感じを提供したい」(高原マネージャー)と始め、好評だ。
学びに積極的な若手に比べ40代になると現状維持を求める傾向にあるという。この層にはキャリアの棚卸し、周囲の評価、自身が大切にする価値などの情報を掛け合わせ、長期的なキャリアを考える施策でアプローチ。「いろいろなやり方を交えると広い層にリーチできる」(高原マネージャー)と、今後も多様な人材のキャリアや生き方を後押しする。
(2024/11/12 12:00)
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