(2024/11/18 12:00)
東洋機械金属はプラスチック射出成形機で現場の自動化を支えている。このほど封止成形ができる射出成形機「TF―80v」を開発した。電気自動車(EV)用モーターコア向けで、EVの生産数量増加が期待できるとの調査を踏まえ市場投入を決めた。高精度な制御や複合動作を実現した製品に仕上げた。
封止成形は以前からあった技術だが、EV市場の拡大が見込める中で同技術の活用を決めた。封止成形できる機能は従来もカスタマイズで対応していたが、山本博之取締役営業本部長は「専用のユニットで展開するのは初めてになる」と話す。
多機能性を切り口にした製品展開が近年のキーワード。2023年に主力製品の電動サーボ射出成形機をモデルチェンジし「Si―7シリーズ」として受注活動を始めた。「プラスチックの可塑化技術に力を入れている」(山本本部長)製品だ。多様な樹脂に対応した汎用性が高いスクリューを標準搭載した。樹脂供給量とせん断熱の発生を抑えて、樹脂からの過剰なガスの発生を低減する。制御装置は視認性や機能性、メンテナンスのしやすさなどの点を改良した。
ハイサイクル成形や薄肉成形などと条件に合わせた設定に切り替えることもできる。樹脂の粘度測定を自動調整するプログラム「メルトコン」を搭載。各種IoT(モノのインターネット)機能も備え、安定した品質での製品づくりに役立てる。
同社はさらに自動化・省力化を進める上で、プラスチックの射出成形において成形不良を防ぐために必要不可欠な乾燥工程向けに、加熱筒内真空脱気システム「SAG+αⅡ」を開発。乾燥レスでの成形を目指している。樹脂溶融時に発生する低沸点ガスを真空ホッパーで吸引し、金型内に流入するガスを低減。ガスが原因となる成形不良を大幅に抑え、生産性向上につなげる。ユーザーの自動化ニーズをくみ取った付加価値の高い製品で差別化を図っている。
(2024/11/18 12:00)
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