樹研工業、宮城新工場で生産補完機能 災害に備える

(2024/11/21 12:00)

  • 本社工場と同様の生産体制を新工場でも目指す

近年多発する自然災害に対し、日頃から危機意識を持ち、被害を最小限に食い止める企業が増えている。精密成形部品加工の樹研工業は事業継続計画(BCP)の充実を図るため、2025年春の稼働を目指して宮城事業所(宮城県涌谷町)に建設する新工場で重要部品の生産機能を補完できる体制を整える。

本社のある愛知県豊橋市は豊橋港に近く、海抜が低い。発生が懸念される南海トラフ地震により、津波や液状化などの被害が想定されている。本社が万一止まった場合は「新工場が補完機能を発揮し、供給責任を果たしていく」(松浦直樹社長)とする。

宮城事業所は自動車関連の精密樹脂成形品を生産する。11年の東日本大震災でも大きな損傷がなく、稼働を続けてきた。災害に強い立地を強みにサプライチェーン(供給網)が影響を受けるリスクの分散、軽減につなげている。

精密成形加工を実現するため、新工場に自社開発の専用成形機を導入。自動車関連のほか、今後は医療機器関連の受注増加も期待する。小型精密部品への対応力を高めるなど本社と同等の生産体制の構築を目指している。

BCPは災害時の事業継続とともに整備を通じて社内のコミュニケーションが促進され、従業員の意識向上につながる。同社は東日本大震災を経てBCP実行のノウハウ蓄積が進み、見直しやブラッシュアップに努めている。

取引先では供給網の検討を進める動きが目立ってきた。「BCPの充実は当社の強みにつながる」(同)と取引先からの信用力向上に自信を深めている。

(2024/11/21 12:00)

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