インタビュー/東明工業常務取締役・佐分和彦氏 取引先部品のスペック評価

(2024/11/21 12:00)

品質確保 社内で定着

  • 佐分和彦(さぶり・かずひこ)氏

―航空機の構造組み立てをはじめ、検査機の設計製作や物流事業など幅広く事業展開しています。調達における全体的な方針は。

「航空宇宙、自動車、船舶、鉄道などモビリティー産業に幅広く携わっているが、業務の違いはあっても、各事業の根底にあるのは、航空機に要求される高い信頼性を実現する品質確保の思想だ。当社における文化の一つと言ってもいい。調達の中に品質確保が“DNA”として受け継がれ、定着している」

―具体的には。

「ベースとなるのは航空宇宙産業に関する品質マネジメント規格『JISQ9100』だ。価格も大事だが、品質とのバランスを見ながら、それぞれの業務で要求されるスペックを満たしているかどうかに注目している。価格よりも品質重視だ」

―品質の確保、維持で取り組んでいることは。

「取引先の状況について年1回確認している。部品などを調達するにあたり、求めているスペックにふさわしいかどうかを評価している。社内では品質に関する会議を月1回実施している。各事業部、各課のほか、グループ会社も含めて、品質確保のために、どういったテーマで取り組んでいるかの報告や各種情報の共有を図っている。私は必ず毎回出席して、コメントしている」

―課題は。

「取引先で技術が承継されているかは気になるところだ。航空機は特殊な部品が少なくない。検査機を設計・製作するシステム製品も、オーダーメードがほとんどだ。製造の自動化など効率化を進めても、最後は技術者の経験や技術が担う部分がある。取引先の調査でも、技術が承継されているかをチェックしている」

―新規事業の小型船舶向けの横揺れ軽減装置「アンチ・ローリング・ジャイロ(ARG)」は、米国が主要市場です。

「海外では日本製というだけで、高い信頼を得ている。国内の取引先と考え方が違うと感じることもあるが、品質重視の思想は続けていくべきだと思っている」

(2024/11/21 12:00)

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