石破首相、所信表明 安全保障など重要政策推進

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  衆院本会議で所信表明演説をする石破首相（国会内＝29日午後）

第２１６臨時国会が２８日召集され石破茂首相は２９日の衆参両院本会議で所信表明演説に臨んだ。１０月の衆院選で与党は過半数割れとなり、少数与党として国会論戦を迎える。石破首相は「自民党と公明党の連立を基盤に、他党にも丁寧に意見を聞き、可能な限り幅広い合意形成が図られるよう、真摯（しんし）に、そして謙虚に国民の皆さまの安心と安全を守るべく取り組んでいく」と述べた。

石破首相は①首脳外交を経た今後の外交・安全保障政策②日本全体の活力を取り戻す③治安・防災―の三つの重要政策課題への対応を進めると強調した。経済全体の活力を取り戻すために「コストカットではなく、付加価値の創出に力点を置いた経営・経済への転換を進めなければならない」と訴えた。その上で「経済安全保障の観点からも、付加価値の高いサプライチェーン（供給網）を国内に回帰・立地させていくことも重要だ」と語った。

国民民主党が主張してきた「年収１０３万円の壁」の引き上げについては「２０２５年度税制改正の中で議論し引き上げる」と表明した。「ガソリン減税」についても「自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し結論を得る」と述べた。

石破首相は「現在や将来の賃金・所得が増えていくことが必要だ」と強調。経済対策の裏付けとなる２４年度補正予算案を１２月上旬にも国会に提出し早期成立を目指す。