現代の名工/情報配線施工工 きんでん・伊藤進氏 品質の“当たり前”支える

(2024/12/17 12:00)

きんでん人材開発部の伊藤進さんは、情報配線施工工としてメタルケーブルや光ファイバーケーブルの施工に従事してきた。日進月歩の通信業界。通信の高速化に伴って、施工でも一層の高品質が要求される。例えば、光ファイバーは接続のために「クロージャー」と呼ばれる箱の中に収納されるが、余計な圧力がかかると通信速度に影響が出るという。

災害時などの修理対応もしばしば。山中にある鉄塔の上部まで登って接続するという過酷な作業をしたのも、良い思い出だと笑う。

そうした現場で約10年活躍した後は、技能五輪全国大会・国際大会の「情報ネットワーク施工」に出場する自社の選手の育成に携わる。これまで指導したのは延べ100人程度。ただ当初はなかなか金メダルを取れなかった。自分の経験を基に指導していたが、他競技や他社の取り組み状況などを知るにつれて、「自分の視野の狭さに気付いた」と語る。

工具の配置や手の動かし方など、作業効率を改善すれば品質は高められる。ただ一番重要なのは、選手の考えを聞き、各人に合わせたやり方を一緒に考えること。「感触は自分でしか分からない。それを相手に伝えるのは難しい。自分のやり方だけを押しつけるのはダメだ」と説明する。そうした指導を続け、これまで国際大会で3人の金メダル選手を輩出してきた。

現在は新入社員研修などを統括する。人材育成を通じ、“当たり”前を支える縁の下の力持ちであり続ける。

(2024/12/17 12:00)

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