インタビュー/野原グループ プロダクト開発担当部長・石田渉氏 建設DXの未来描く

(2024/12/17 12:00)

野原グループ(東京都新宿区、野原弘輔社長)の石田渉氏は、入社から25年間にわたりサッシ設計に携わってきた。建築の3次元(3D)モデリング技術「BIM」のプロジェクト立ち上げに2016年から従事。建設業界のデジタル変革(DX)の道のりと展望を聞いた。

―今までの仕事内容を教えてください。

「入社した頃はサッシの売上高がピークで会社は設計に注力していた。本社のサッシ建材部に配属の5人中4人、私も設計担当だった。当時はパソコンもなく図面は手描き。ゼネコンに図面のOKをもらっても現場で気付くことがある。不備があると職人に怒られたが、現場に足を運び質問を繰り返すことで信頼関係が深まった」

―現在の仕事と担っている役割は。

「BIM設計・製造・施工の支援プラットフォーム(基盤)『BuildApp』の建具向けサービスに関わっている。マネージャーとして建具プロダクト開発を担い、建設プロセスのデジタル化を進めるのが使命だ。社内外で連携し、建設業界のDXで業務フロー改善を目指す」

―特に印象深い仕事や出来事は。

「10年に担った大手設計事務所の教育施設のスチールドア工事だ。事務所のデザインに対するこだわりが強く、徹夜して図面を何度も描き直す日々。納期も間に合わず、当時の社長らと顧客のゼネコンに謝りに行った。他の現場が手つかずで社内外の信用を失ったのはつらかった。取り戻すために一つひとつ全力で取り組んだ」

―モチベーション維持の秘訣(ひけつ)は。

「年齢を重ね、こなす現場の数よりミスを減らして効率化する管理能力が求められるようになった。責任ある仕事を職人たちと乗り越える達成感はモチベーションにつながる。今取り組んでいる業務のデータ化は質向上やミス抑制に貢献できる。今までの苦労がクリアになり古い世界がどう変わるのか、自分の目で見届けたい」

―後輩に対する思いや伝えたいことは。

「未来に描くのは、我々が作ったアプリケーションが当たり前に使われる世界。使うのは次世代の人たちなので、肩書は関係なく自分から丁寧に意見を聞くようにしている。後輩には広い視野で挑戦し続けてほしい」

(2024/12/17 12:00)

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