産業春秋/農業の人材難、ロボット・AIに期待

(2024/1/15 05:00)

経済協力開発機構(OECD)は11日に対日経済審査報告書を公表し、労働人口減少問題への対応を提言した。定年廃止や非正規雇用の格差是正などにより高齢者や女性の雇用を促すものだが、読み込んでいくと、さらに踏み込んだ対応が必要な産業があることに気付く。それは農業だ。

自営で農業をしている基幹的農業従事者は長年減り続け、2023年で116万人。うち女性が45万人、65歳以上が82万人に上る。農業はすでに高齢者と女性に頼っている。

不安定な国際情勢から食料安全保障が唱えられる。しかし1965年に73%あった食料自給率(カロリーベース)は22年には38%にまで下がった。新たな従事者確保だけでなく、大幅な生産性向上が必要となる。

農林水産省はロボット、人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)を活用したスマート農業の推進を掲げる。ただ気候や地形、地域など個々に異なる条件下でなされる農業を、一律にスマート化するのは容易ではない。

日本農業機械工業会の木股昌俊会長は「農機業界は農家の頼もしいパートナーになりたい」と話す。ロボットやAI業界との連携を密にし、日本の農業再構築の力になってほしい。

(2024/1/15 05:00)

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