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TBM、ダイセルと「海洋生分解性LIMEX(仮称)」の開発を開始

(2020/3/2)

カテゴリ:商品サービス

リリース発行企業:TBM

TBM、ダイセルと「海洋生分解性LIMEX(仮称)」の開発を開始

~石油由来プラスチックの使用量を削減、生分解性・海洋分解性を有する新素材を目指す~

石灰石を主原料とし、原料に水や木材パルプを使用せず紙の代替や石油由来原料の使用量を抑えてプラスチック代替となる新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売する株式会社TBM(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:山崎敦義、以下TBM)は、セルロース、有機合成、合成樹脂などプロセス型生産領域を中心に、幅広くモノづくりを手掛ける株式会社ダイセル(本社:大阪市北区、代表取締役社長:小河義美、以下ダイセル)とともに、主原料となる石灰石と酢酸セルロースなどを組み合わせた新素材「海洋生分解性LIMEX(仮称)」の開発を開始致します。石油由来プラスチックの使用量を削減し、生分解性・海洋分解性を有する環境配慮型の新素材の開発を通じて、世界中で高まる海洋プラスチック問題の解決に向けて取り組んで参ります。



■ 背景
持続可能な開発目標(SDGs)やプラスチック問題の課題解決に向けて、企業の対応が求められています。近年、海外では使い捨てプラスチックを規制する動きは強まり、アフリカ諸国やインド、中国など40カ国以上が既にレジ袋の使用を厳しく制限しており、欧州連合(EU)は使い捨てプラスチックを禁止する法案が可決されています。2019年6月に開催されたG20大阪サミットでは、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されました。これに伴い、同年5月に経済産業省は、海洋生分解性プラスチックの開発・導入普及を官民一体で連携し促進していくために、海洋生分解性機能に係る新技術・素材に関する「海洋生分解性プラスチック開発・導入普及ロードマップ」を策定、海洋生分解性プラスチックの国際標準への提案を目指しています。

■ 各社の取組み
TBMは、世界各地で埋蔵量が豊富で、日本でも100%自給自足できる石灰石を主原料とした新素材LIMEXを開発・製造・販売しています。また、プラスチックの代替素材として、石灰石と植物由来プラスチックを使用した「Bio LIMEX」素材を昨年のG20で発表、本素材の袋が大阪サミットで提供されました。その他、LIMEX製品は大企業のお買い物袋やホテルアメニティの使い捨てプラスチックの代替製品、イベント時の食品容器など、多様なラインナップで導入が進んでいます。ダイセルは、植物由来のセルロースと天然に広く存在する酢酸を原料として製造される、酢酸セルロースの生産を1938 年から手掛けており、これらは現在各種プラスチックや液晶保護用などの各種フィルム、衣料用繊維などの原料として広く使用されております。酢酸セルロースは、生分解性を持ち、使用後はセルロースと酢酸に戻り、さらに生分解されて水と二酸化炭素に戻る、環境にやさしい材料ですが、ダイセルでは2020年1月に、海洋での生分解速度を従来品の2倍近くに高めた新製品を発表しています。

■ 取組みの概要
この度、TBMは、ダイセルとともに石灰石と酢酸セルロースなどを組み合わせた新素材、「海洋生分解性LIMEX(仮称)」の開発を開始致します。「海洋生分解性LIMEX(仮称)」は、豊富に存在する石灰石と生分解性を備える酢酸セルロースなどを原料に使用することで、石油由来プラスチックの使用量を削減し、且つ生分解性・海洋分解性を有する環境配慮型の新素材として、飲食品容器や農漁業用品のほか、身の周りにある文房具やおもちゃなど、幅広い用途での採用を目指して参ります。日本国内では、経済産業省により、廃棄物の適切な管理を前提とした、3R(リユース、リデュース、リサイクル)の着実な推進を行いながら、廃棄物の海洋流出リスクへの対応方針を掲げています。また、東・東南アジアの発展途上国では、世界の海洋プラスチック流出量の多くを占めている現状があり、今後の経済発展とともにプラスチックの需要は高まる見通しです。国内外おける海洋生分解性の素材に対する期待の高まりを受けて、TBMとダイセルは、2020年度中を目標に「海洋生分解性LIMEX(仮称)」の共同開発を進め、海洋プラスチック問題の解決に向けて取り組んで参ります。

■ 新素材「LIMEX(ライメックス)」について
[ LIMEXとは ]
TBMが開発した、炭酸カルシウムなど無機物を50%以上含む、無機フィラー分散系の複合材料です。
・ 2013 年、経済産業省のイノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」に採択。
・ 2014 年、国内特許を取得。現在、日中米欧を含む30か国以上で登録済。
・ 2015 年、宮城県白石市に年産 6,000 トンの LIMEX を製造する第1工場を建設。
・ 2016 年、米国シリコンバレーの「Plug and Play」で初の 『世の中に最も社会的影響を与える企業ソーシャルインパクトアワード』を受賞
・ 2017 年、「第7回日米イノベーションアワード」において『イノベーション・ショーケース』を受賞
・ 2018 年、COP24(第24回国連気候変動枠組条約締約国会議)に日本政府代表団として参加
・ 2019 年、軽井沢で開催された「G20イノベーション展」に出展。G20大阪サミット2019の会場で使用され
た運営品としてLIMEX製品が採用

[ 紙の代替として ]
・ 通常、普通紙1トン生産する場合、木を約 20 本、水を約85トン使うが、LIMEX は原料に木や水を使用せず、石灰石 0.6~0.8 トンとポリオレフィン約 0.2~0.4 トンから LIMEX の紙代替製品(LIMEXシート)1トンを生産可能。
※国内の製紙業界においては、単に伐採するだけでなく海外で植林活動を実施。
※使用済みの LIMEX の紙代替製品を廃棄する場合は可燃ごみ扱い。(古紙回収に出さない)

[ プラスチックの代替として ]
・ 従来のプラスチックの原料は石油由来樹脂 100%であるが、LIMEX では主原料が石灰石であり、石油由来樹脂の使用量を大きく削減可能。
・ LIMEXは、石灰石を主原料に石油由来樹脂と構成されているが、石油由来樹脂をバイオ由来の素材に置き換えたBio LIMEX製品を発表(袋の代替製品)。
・ 単価の安い石灰石を主原料とすることで価格競争力を有する。
・ LIMEXの印刷物等のリサイクル材から、LIMEX 製のプラスチック成型品(LIMEXペレットを加工)を製造する
ことが可能。(LIMEXのアップサイクル)

[ 資源としての石灰石の埋蔵量 ]
・ 日本でも 100%自給自足できる資源。世界各地の埋蔵量も豊富で、ほぼ無尽蔵。

■ 酢酸セルロースについて
酢酸セルロースは、植物由来のセルロースと、天然に広く存在する酢酸を原料として製造されるプラスチック材料で、ダイセルは1938 年から酢酸セルロースの生産を手掛けています。生分解性を持ち、最終的に水と二酸化炭素に生分解されるため、環境に負荷を与えません。たい肥や土壌に加え、海洋中でも分解されることが確認されており、海洋プラスチックごみ問題の解決策となる可能性を秘めています。現在、各種プラスチックや液晶保護用などのフィルム、衣料用繊維などの原料として、広く使用されています。

■ 株式会社TBM
代表取締役CEO :山崎 敦義
本社 :東京都中央区銀座 2-7-17-6F
設立 :2011 年
資本金 :107 億 4,480 万円(資本準備金含む)/ 2019 年 2月時点
事業内容 :LIMEX 及び LIMEX 製品の開発・製造・販売
URL :https://tb-m.com/

■ 株式会社ダイセル
代表取締役社長 :小河 義美
本社 :大阪市北区大深町3-1グランフロント大阪タワーB
設立 :1919年
資本金 :362億7,544万89円 / 2019年3月31日時点
事業内容 :セルロース、有機合成、合成樹脂、火工品などの製造・販売
URL :https://www.daicel.com/

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