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2018年度新入社員のキャリアに対する意識調査結果を発表

(2018/4/26)

カテゴリ:調査レポート

リリース発行企業:トーマツ イノベーション

2018年度新入社員のキャリアに対する意識調査結果を発表

「今の会社で働き続けたい」新入社員は3年連続減少。労働時間に関する考えは、「定時に帰りたい」が42%で最も多く、4年連続で増加し今年初めて1位に

トーマツ イノベーション株式会社は、2018年度入社の新入社員のキャリアに対する意識について調査を行い、その傾向と新入社員を育てるうえでのポイントをまとめました。調査はアンケート形式で、東京・横浜・名古屋・大阪で当社が開催した新入社員研修の受講者4,863名を対象に、2018年4月3日~4月16日に実施しました。


トーマツ イノベーション株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 眞﨑大輔)は2014年度から、新入社員を対象とした調査を毎年実施しています。キャリアに対する意識が年々変化する中、今年度の調査では、就社意識がますます低下していること、ワークライフバランスを重視する傾向が高まっていること、専門家を志望する新入社員が多い中、キャリアがはっきりしない新入社員も引き続き一定数いることが明らかになりました。このことから、新入社員に長く勤めて活躍してもらうためには、1.仕事の醍醐味を伝えて自社で働き続けることの魅力を感じてもらう、2.ワークライフバランスを保てる職場環境をつくりつつ、生産性を高める必要性を理解してもらうことが重要だといえます。

2018年度の調査結果のサマリは以下の通りです。



「今の会社で働き続けたい」新入社員は3年連続で減少
「定時に帰りたい」新入社員は4年連続で増加し、初めて1位に。ワークライフバランス重視の傾向高まる
今後のキャリアについては「管理職」より「専門家」志望が調査開始以来5年間トップを継続
将来のキャリアを決めている新入社員ほど学習している
スキルアップのために取り組んでいることとして、「アプリを使用した学習」が増加


1. 「今の会社で働き続けたい」新入社員は3年連続で減少

今の会社での勤続意向について聞いたところ、「できれば今の会社で働き続けたい」(53.8%)が3年連続で減少しました(図1)。これに付随して「そのうち転職したい」が前年度より1.5%増加の16.7%、「(今の会社で働き続けたいか)わからない」が16.0%と、過去最多の回答率となりました。求職者優位の売り手市場やフリーランスの台頭などの影響もあるせいか、就社意識がわずか数年で大きく低下している点が注目されます。

長く勤め続けてもらうには、ひとつひとつの仕事の醍醐味を伝える、メンター制度を設けて先輩社員が定期的にフォローを行い経験談を語るなど、自社で働くことの魅力を伝える必要があるといえます。

2. 「定時に帰りたい新入社員は4年連続で増加し、初めて1位に。ワークライフバランス重視の傾向高まる

今後3年間の働き方について聞いたところ、男女ともに「定時に帰りたい」と回答した人が調査開始以来4年連続で増加し、今年度の調査では、回答者の4割以上がその意向を示しました(42.0%)。前回までの調査では、「週に2~3回の残業まで」と回答した人が最も多い割合を占めていましたが、今回はその割合が逆転し、「定時に帰りたい」が初めて1位となりました(図2)。

「働き方改革」の機運が高まる中、今の新入社員にとって、長時間労働を強いる企業のイメージは良くないということがうかがい知れます。できれば定時に帰り、自分や家族との時間を大切にしたいと考える人が増加していることが改めて結果として現れました。


また、結婚、出産といったライフステージの変化に伴う働き方についても、ワークライフバランスを重視し、子供が生まれたら「それまでよりも残業や休日出勤を減らしたい」とする傾向が見られます(図3-1、3-2)。その中でも女性は、「パート・アルバイト」(13.9%)として働き、家庭を優先したい人が増えており、雇用形態にこだわらない働き方が選択肢にある人が増加していることがうかがえます。この結果から、男女ともに「家庭生活の充実」を優先し、それぞれの家庭に合った働き方を選択したいと考えていると推察されます。

このような状況を踏まえると、企業には業務の棚卸や残業時間の可視化など、自社の状況を確認・見直すことで、働きやすい環境・制度を整えていくことが求められているといえます。それと同時に、「限られた時間の中で成果を出す」=「生産性が求められている」ことを新入社員へしっかりと伝達していく必要もあります。



3. 今後のキャリアについては「管理職」より「専門家」志望が調査開始以来5年間トップを継続

将来会社でどのような役割を担いたいかという質問をしたところ、前年度に引き続き「管理職」(24.8%)よりも「専門家」(33.4%)を志望する新入社員が上回る結果となりました(図4)。

また、ここ数年間で、「楽しく仕事をしていたい」(21.3%)や「まだ(キャリアについて)はっきりしていない」(19.7%)が増加傾向にあり、会社員として、将来どのようなキャリアを目指すかを具体的に定めていない新入社員が引き続き一定数いることが明らかになりました。

4. 将来のキャリアを決めている新入社員ほど学習している

社会人としてスキルアップするために取り組んでいる内容を、キャリアの方向性を現時点で決定しているか、そうでないかのステータスで分けたところ、キャリアの方向性を決定している人の方が、積極的にスキルアップに取り組んでいることが明らかになりました(図5)。特に「ビジネス本を読んでいる」という回答に関しては、キャリアの方向性を決定していない人の回答率より12.6%も多いという結果となっています。

一方、キャリアの方向性が定まっていない人は、「特に何もしていない」(38.9%)が最も多く、入社の時点で
キャリアビジョンを描けているか否かで、自身のスキルアップに対する積極性が分かれると推察されます。


5. スキルアップのために取り組んでいることとして、「アプリを使用した学習」が増加

スキルアップするために取り組んでいる内容では、「スマートフォン、タブレットPC上で学習アプリを使って勉強をしている」(21.3%)と回答した人が年々増加しています(前年度比3.6%増)(図6)。この背景として、今の新入社員がモバイルツールを使う機会が多いデジタル・ネイティブ世代であること、また、学習アプリの種類・内容が充実していることなどが考えられます。

手軽に学習できるモバイルツールは、今後もさらに活用が進むと推察されます。新入社員の学び方に沿った形で育成できているかを定期的に点検し、世代に合わせた学習方法を検討していくことが必要です。



【調査概要】

*データは2018年4月16日時点の速報値であり、各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは欠損データとして分析の対象外とし、欠損データについては別途精査を検討中です。

プレスリリースの詳細はこちらからご覧ください。
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20180426-2.html

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