[ その他 ]
(2016/3/21 05:00)
大名古屋ビルヂング―。いささか時代がかった名称だが、いまも最先端のビジネス拠点だ。半世紀近く名古屋駅前のランドマークだった同ビルが、約3年半の建て替え工事を終えた。高層ビルに生まれ変わってもビル名とロゴを残したのは、それだけ地元に親しまれた存在だからだ▼一方で新しい風も取り入れた。三越伊勢丹ホールディングスが全国初出店した中型店「イセタンハウス」を核に、商業施設は”名古屋初“が目立つ。そこには独自の伝統を重んじながら異文化を取り入れて吸収し、革新に挑む柔軟さを感じる▼こうした『不変と革新』は社業100年を超えるような長寿企業の共通項だ。広く通じる経営理念を代々受け継ぎつつ、環境変化を先取りして革新を繰り返してきた。顧客、従業員、地域社会から得た信頼が会社の継続につながる▼新たな日本の大動脈となるリニア新幹線の建設が進んでいる。始発駅であり、地元で”名駅“と呼ばれる名古屋の玄関口の表情は今後も大きく変わっていくに違いない▼大名古屋ビルヂングの全面開業日には、朝から長蛇の列ができた。街の繁栄の一端を託されたようにも見えた。街づくりにも、持続的成長を目指した『不変と革新』がある。
(2016/3/21 05:00)