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(2016/4/25 05:00)
国土地理院は、熊本地震で活動した布田川(ふたがわ)断層帯の北側で、地殻が最大1・2メートル以上沈降していることを人工衛星で観測した。同断層帯の南側では地殻が最大0・4メートル以上隆起していた。同断層帯の東にある阿蘇山では、中央火口付近で地殻が0・2メートル程度沈降していることも分かった。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の陸域観測技術衛星「だいち2号」の観測データを活用した。衛星から地表に電波を送信し、衛星に戻ってきた反射波を捉えて地表の形状を画像化する「合成開口レーダー(SAR)」という技術を利用。熊本地震の前と後の地表の画像を組み合わせる「干渉SAR」という処理により、上下方向や東西方向の地殻の変動量を分析した。東西方向については、布田川断層帯の北側が東向きに最大1・5メートル以上動いていた。同断層帯の南側では、西向きに最大0・7メートル以上の変動がみられた。
国土地理院地理地殻活動研究センターの藤原智地理地殻活動総括研究官は「『だいち2号』は2週間ごとに同じ軌道を通る。今後も、地殻の変動をより詳しく解析していきたい」としている。
(2016/4/25 05:00)