[ オピニオン ]
(2016/5/17 05:00)
一昨日の日曜日は京都3大祭のひとつ、葵祭だった。平安時代の装束に身を包み、牛車や冠などにフタバアオイを飾り、長さ約1キロメートルの典雅な行列が進む。華麗な王朝絵巻に、沿道では昨年より1万5000人多い8万人が見入ったという。
下鴨神社・上賀茂神社の例祭で、起源は6世紀までさかのぼると言われる歴史ある行事。人出が多かったのは国内外からの観光客増という最近の京都人気もあるが、カレンダー効果も大きい。5年ぶりの日曜開催だったからだ。
京都3大祭は、曜日に関係なく開催日が決まっている。葵祭は5月15日、祇園祭はハイライトとなる山鉾(ほこ)巡行の先祭が7月17日、後祭が7月24日、時代祭が10月22日。今年のカレンダーを見ると葵祭に続いて祇園祭も日曜日の開催。時代祭は土曜日にあたる。
祭列やパレードのあるイベントは休日開催だと考えがちなのは当方の発想が貧困だからか。京都3大祭にはそれぞれ五穀豊穣(ほうじょう)を願い、疫病退散や暑さの本格到来を体感し、平安遷都を祝うといった本来の趣旨がある。
ただ観光の面では、3大祭で例年以上の人出が期待できることも確か。その分、地元への恩恵も大きく経済がまわると考えれば素直にうれしい。カレンダーに感謝。
(2016/5/17 05:00)