[ オピニオン ]
(2016/6/3 05:00)
ご当地検定のひとつである『神戸学検定』が、9月25日の第10回で終了することになった。主催の神戸商工会議所に聞くと「昨年の受験者が1000人を割り込んだことが響いた。学生にもアプローチしてきたのだが…」と無念そう。
神戸には“日本初”が多い。コーヒーを店で最初に提供した元町の放香堂、ゴルフの始まりといわれる六甲山、マラソンの発祥地の新開地など。来年、開港150年を迎える神戸港を通じて早くから外国文化とオープンに接してきた影響が大きい。
歴史や産業、文化、観光など魅力にはこと欠かないはずだが、長く続けるのは難しかったのだろう。会議所の呼びかけに応え、みなと銀行を筆頭に地元企業も団体受験で支えたが、受験者層を広げられなかったという。
ただ『神戸学マイスター』と呼ぶ難関の上級合格者はこれまで19人が誕生。街歩きツアーのガイドなどとして活躍している。検定終了後には獲得できない“称号”だから、街の生き字引として貴重な存在になりそうだ。
もうひとつの財産は公式テキスト本と試験問題。「過去の問題は約2000問。携帯アプリなどにできれば」と会議所は思案を巡らす。せっかくのコンテンツ、うまく活用してもらいたい。
(2016/6/3 05:00)