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[ 自動車・輸送機 ]
(2016/6/17 05:00)
米ゼネラル・エレクトリック(GE)が開発している新型航空機用ジェットエンジン「GE9X」について、IHIのRRSP方式(用語参照)による参画シェアが10%超になることがほぼ確実となった。IHIは現在、GEと正式契約に向けて詰めの作業に入ったもよう。早ければ7月にも決まる予定だ。GE9Xは「GE90」エンジンの後継機種。IHIがGE90で約9%だったシェアを拡大するのは、高い技術力が決め手となったようだ。
GE9Xは米ボーイングの次世代機「777X」向けで、推力10万ポンド級の世界最大級の民間航空機エンジン。GE9Xは同機への搭載シェア100%が決定している。
IHIは10―12%での参画を表明、シェア動向が注目されていた。777Xは2020年の初納入を目指し、16年3月末時点で320機の受注がある。
GE9Xの開発にはGEやIHIのほか、仏サフラングループのスネクマとテックスペース・エアロが、GE90に続いて参画。独MTUエアロ・エンジンズが新たに加わる。
既存の参画企業の多くはGE90に比べてシェアが低下する見通し。その中で低圧タービン部品などを手がけるIHIだけは、高い技術力や信頼性、新素材の研究開発などが評価され、シェアを拡大できるとみられる。
GEは事業の選択と集中を進め、航空機関連事業を柱の一つに据える。新型エンジンではシェアを拡大し、収益力の強化を目指す。
GE9Xは軽量化に向けて、複合材のファンケースやファンブレード、タービンにはセラミック基複合(CMC)材料を用いる。IHIはこれら新素材の開発を進めており、エンジン量産段階で同社製の新素材部品が搭載される可能性もある。
【用語】RRSP(リスク&レベニューシェアリングパートナー)方式=エンジンや補用部品の販売・修理事業などの収入を、プログラムシェア(参画シェア)に応じて配分を受ける権利を持つ。一方で、開発・量産・販売に関するすべての費用やリスクをプログラムシェアに応じて負担する契約方式。
(2016/6/17 05:00)