[ 環境・エネルギー ]

ズームアップ/出光、昭シェルTOB困難に−創業家、情報開示せず

(2016/8/8 05:00)

  • 出光に昭和シェル株取得への道が狭まっている

出光興産の創業家が同社と昭和シェル石油の合併に反対している問題で、出光による昭和シェル株取得への道がさらに狭まった。株式公開買い付け(TOB)に踏み切る場合の届け出に必要な創業家保有の昭和シェル株の議決権比率を把握できないためだ。TOBという選択肢は、事実上断たれたと言える。出光は英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルグループから相対取引で取得する昭和シェル株の比率を、当初予定の33・2%から下げる方向で調整する見通しだ。

出光が昭和シェル株のTOBに踏み切る場合、買い付け開始の公告時点で、出光の「特別関係者」に当たる同社大株主の創業家が保有する昭和シェル株の議決権数を記した届け出書を、当局に提出する必要がある。創業家側の代理人の第一中央法律事務所(東京都中央区)によると、出光昭介氏ら創業家はこの情報を明かさない考えで、出光は法令上の手続きをできなくなる。

出光が9月にも英蘭シェルグループから取得する昭和シェル株と、創業家の保有株を合わせると、持ち株比率が3分の1を上回り、金融商品取引法の定めで出光は、相対取引での取得ができなくなる。残る選択肢はTOBだが、この道も事実上断たれた。

出光は創業家と合わせた昭和シェル株の保有比率が3分の1以下になるように、英蘭シェルグループから買い取る株式の比率を引き下げることを視野に入れている。今後、具体的な協議が進む見通しだが、創業家は昭和シェル株の追加取得も辞さない構えで、引き下げの効果は不透明だ。

(2016/8/8 05:00)

関連リンク

総合3のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

↓もっと見る

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン