[ ロボット ]
(2016/10/6 05:00)
米エヌビディアは5日、スマート工場分野でファナックと技術提携すると発表した。ファナックのロボットにエヌビディアの人工知能(AI)用半導体を搭載し、ロボットが自ら動作を効率よく学習できるようにする。より高精度で複雑な作業を可能にし、生産革新につなげる。
エヌビディアは高速画像処理半導体を手がける。提携ではファナックが事業化を進めるIoT(モノのインターネット)基盤「フィールド・システム」に参画する。エヌビディアの組み込み用AI半導体「Jetson TX1」をファナックのロボットに搭載し、情報処理エンジンにすることなどを想定している。
エヌビディアのAI技術を導入することで、ロボットは自ら動作を効率的に学習できる。学習により従来はロボット1台当たり8時間かかっていた作業を、8台で1時間以内に短縮できるようになるという。
同日、都内で講演したエヌビディアの創業者であるジェンスン・ファン社長兼最高経営責任者(CEO)は「日本はロボット革新の震源地だ。日本でこそAIと機械を融合した『AIマニュファクチュアリング』ができる」と説明。その上で「IoT社会でAIを実現できるのが我々だ。製造業の革命は社会貢献につながる」とアピールした。
またファナックの稲葉清典専務執行役員は「スマートファクトリーをどう実現するかが最大の目的だ」と強調。「全ての製造プロセスにロボットの自律学習を応用し、例えばロボットが相談し合いながら顧客が発想した新しいモノを作り上げられたら理想だ」と、未来の工場の実現に期待を寄せた。
ファナックは工場用IoT基盤「フィールド・システム」の年内投入に向け、開発環境をオープン化するなど他社との協業を加速している。同システムは工場全体をIoT化して故障予知や設備の機能向上、生産革新などにつなげるもの。現在NTTや米シスコなど4社と協業しているほか、200社以上と連携し、システム確立を進めている。
(2016/10/6 05:00)
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