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[ 自動車・輸送機 ]
(2016/11/15 05:00)
IHIは2018年度までに、航空機エンジン部品を生産する4工場にIoT(モノのインターネット)技術を導入する。投資額は最大で約30億円を見込む。生産状況を常時把握するITシステムや一部工程にロボットを採用。航空機産業特有の多品種部品の生産を効率化し、需要変動に即応する。4工場全体で生産性を現状比2倍に高める計画。協力企業もネットワーク化し、サプライチェーン全体で生産効率を底上げする。
対象とするのは航空機エンジン部品を生産する相馬第一・第二工場(福島県相馬市)、呉第二工場(広島県呉市)、エンジンやガスタービンの組み立てと整備を担う瑞穂工場(東京都瑞穂町)。さらに相馬工場と呉工場の約20社の協力工場をネットワークでつなぎ、生産進捗(しんちょく)を常時把握することも検討する。
低圧タービン部品などを生産する相馬第一・第二工場では、作業者や加工物の位置情報を収集するITシステムを拡充する。ビーコンで作業者やモノの流れを把握し、作業指示を最適化するほか、数値制御(NC)加工機のNC信号を分析して生産ラインの稼働率を改善する。
バリ取りなど仕上げ加工や焼きはめ工具のセット、研磨工程での工作物出し入れなどには、ロボットを導入する。省人化やミス防止を狙い、仕上げ工程で現状80分のリードタイムを4分の1に短縮する。また、17年度までに4工場合計で1000台のタブレット端末を導入する。現場で作業報告などができるようにする。
航空機エンジン生産では多品種少量で高度な加工が必要。無駄のない安定生産が競争力を左右する。IHIはIoT化の推進で生産状況を常態的に把握・分析する仕組みを構築し、サプライチェーン全体で供給力を高める。
(2016/11/15 05:00)