[ オピニオン ]
(2016/11/28 05:00)
英国による欧州連合(EU)離脱「ブレグジット」は世界経済に対する今年最大の波乱材料になるはずだった。米大統領選で共和党代表のトランプ氏が勝つまでは…。
今や「ブレグジット」は話題性も薄れて、ニュースや紙面で取り上げられる回数も激減した。代わって登場したのはカリフォルニア州がアメリカ合衆国から独立することを表す「カリグジット」だ。民主党代表のクリントン氏を支持した州で、反トランプの急先鋒(せんぽう)といえる。
同州では獲得した選挙人の数でクリントン氏が上回り、そのうえ全体の得票率でもクリントン氏の方が上だった。このため、トランプ氏が大統領の国にはとても我慢がならないようだ。ビバリーヒルズの住人の中には「カナダに移住したい」という人も。
米国では各州に独自の州法があり、大幅な自治権が与えられている。とはいえ「ユナイテッド・ステイツ」だけに連邦法が優先され、大統領の決定に従わなくて良いというわけではない。
ブレグジットは難航しているが、カリグジットは実現可能性が小さくない。工業、農業の生産高は大きく、仮に独立したら世界6位の国内総生産(GDP)を有する国となるからだ。来年の米大統領就任式以降も目が離せない。
(2016/11/28 05:00)