[ オピニオン ]
(2016/12/5 05:00)
地元のかかりつけ医で、インフルエンザの予防接種を受けた。肌寒くなるこの時期には毎年、欠かしていないのだが、今年は医師から「来るのが遅い」と叱られた。
厚生労働省が「インフルエンザの流行宣言」をしたのが11月25日。昨シーズンと比べて1カ月以上早かった。本格流行の前に終えておかないと、せっかくの予防接種も意味が薄れる。かかりつけ医の説教もうなずける。
ただ別の背景もある。それはワクチンの品薄問題。大手メーカーの化学及血清療法研究所(熊本市北区)が熊本地震で被災した影響もあり、この病院では昨シーズンに接種した人の分のワクチンしか確保できていないという。
医療機器大手のサクラファインテックジャパン(東京都中央区)は毎年、希望する社員を対象に集団接種を実施している。会長兼社長の石塚悟さんは「ワクチンで予防できる病気は予防が基本だ」と話す。従業員を守ることは自社の企業力を高めることにもつながる。
予約の手間や費用負担はあるだろうが、早めの対策が望ましいことは言うまでもない。今年も残すところ3週間余。なにかと慌ただしいこの時期を健康に乗り切るためにも、病気には“かからない、うつさない”を心構えとしたい。
(2016/12/5 05:00)