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[ 科学技術・大学 ]
(2017/1/12 05:00)
【名古屋】名古屋大学の湯川博特任講師らは、移植後のマウス生体内で幹細胞を可視化することに成功した。4Kディスプレーや太陽電池に使われる量子技術を応用し、細胞を蛍光発色させて機能の解析や診断を容易にする量子ドット「ZZC」というナノサイズ粒子(ナノは10億分の1)を開発。iPS細胞(人工多能性幹細胞)など幹細胞の生体内活動を追跡できる。人間にも使える量子ドットの開発を目指す。
量子ドットは、光を当てると強い蛍光を示す半導体材料からなるナノサイズ粒子。再生医療で幹細胞やiPS細胞を使った細胞移植治療の研究開発が進む中、移植後の幹細胞が生体内で意図に沿って正常に働いているのかなどを追跡・分析する必要があった。
ZZCは、従来の量子ドットが持つカドミウムなどの毒性成分を含まず、銀や硫黄などで構成されており安全性が高い。低コストでの大量生産も見込む。
幹細胞を標識・追跡する必要がある前臨床試験での活用を想定しており、研究グループではより多くの細胞を診断できると期待する。
(2017/1/12 05:00)