[ 機械 ]
(2017/2/23 05:00)
「どうやって彫ったか分かる?」―。厚さ40ミリメートルの無垢(むく)の1枚ガラスの中に彫られているのは、モンゴルの民族楽器「馬頭琴」の頭頂部分をモチーフにしたCADによる3次元(3D)デザイン。アリューズ(東京都東久留米市、堀川直圭社長、042・479・2230)が約1カ月もかけて機械加工した苦心の作品だ。
詳しい作製手法は秘密という。ヒントは、ガラスの下部に明けた直径2ミリメートルほどの二つの細穴。これらを通じて、自社製品の超音波ユニットと、同社が国内の総販売元となる独ショット製の電鋳ダイヤモンド工具による機械加工を行った。
ガラスなどの脆性材を加工する技術者に作品を紹介すると、誰もが驚きを隠さない。堀川社長は「さまざまな加工法を考えてくれるが、それらは全て正解と言える」と笑顔で答える。
というのも「いろいろな手法の組み合わせだから。作品を見た人に、頭をひねってもらうことが、当社の技術のアピールになる」と狙いを明かす。
同社が展開する超音波機械加工は、サファイアガラスなどの脆性材や炭素繊維複合材などの切断面を美しく仕上げられるのが特徴。次世代のウエアラブル端末や航空機向けなどにこうした新素材利用が広がる中、ビジネスチャンスも拡大する。(川越)
(2017/2/23 05:00)