[ オピニオン ]
(2017/2/27 05:00)
プロサッカー・Jリーグが開幕した。シーズンオフには一流選手の移籍が続いた。上位ほどネット放送の放映権料が配分される新たな仕組みが導入されたため、資金力のあるクラブが大型補強に動いた。
引き抜かれた側は辛い。ひいきのクラブでは主将と攻守の要がごっそり移籍。レギュラーの総入れ替えで戦力の低下は否めない。ただ悲観材料ばかりではない。地元出身や過去の在籍選手が戻ってきた。クラブへの愛着が初戦の奮闘につながったと思いたい。
100以上の病院を渡り歩いたフリーランス麻酔科医の筒井冨美さんは著著『医者の稼ぎ方』(光文社)の中で“ソリティア上司”が組織の活力をそぐと指摘する。年功序列で医療の前線を離れ、パソコンのゲームで時間をつぶす大学教授や病院幹部のことだ。
そんな人でも定年後に現場復帰すると、生き生きと患者に接するという。筒井さんは「強制的にも追い出して、新天地を探してもらった方が本人のため」と、再就職しやすい社会の重要性を訴える。
有能な人材ほど流動しやすいのは産業界も同じ。ただ新陳代謝が組織の活力を生むメリットもある。春は人事異動の季節。サッカーも企業も、異動を戦力向上につなげられれば勝利が近づく。
(2017/2/27 05:00)