[ ICT ]

日本IBM、気象予報分野に進出−「ワトソン」など活用

(2017/3/14 05:00)

  • ザ・ウェザー・カンパニーによる気象情報サービス画面(同社提供)

日本IBMは13日、企業向けに気象予報情報を提供するサービスに進出すると発表した。本社に「アジア・太平洋気象予報センター(APFC)」を開設。気象予報士が24時間365日、リアルタイムにアジア・太平洋地域の気象を予測する。保険会社や公的企業、小売り業、物流業などに売り込む。過去データの分析やリアルタイム予測、人工知能(AI)「ワトソン」などを組み合わせ、ソリューションとしても提供する。

APFCでは気象予報士が1時間ごとに気象データを作成する。応用プログラムインターフェース(API)経由で画像を含め、広範な気象データを利用できるようにする。IBMの統計解析ソフト「SPSS」を導入していれば、追加サービスとして活用できる。

航空会社や電力会社、メディア業界向けにはパッケージサービスも提供する。例えば気象予報を3次元(3D)の地図上で動画として可視化したり、グラフなどに簡単に加工したりできるツールをパッケージとして品ぞろえに用意する。このほか、個別の顧客ニーズには、業種の知識を備えたコンサルタントが出向いてソリューションを作り込む。

企業向け気象情報サービスは、米IBMが米ザ・ウェザー・カンパニーとの戦略提携によって全世界で展開している。日本IBMの吉崎敏文執行役員ワトソン事業部長は同日、都内で会見し「データは21世紀の新たな天然資源だ。どう活用するかで企業の競争優位が決まる」と強調した。3カ月以上の中長期の気象予報にワトソンを活用する取り組みも行っているという。

(2017/3/14 05:00)

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