[ 政治・経済 ]

【電子版】韓国大統領に文氏就任―宣誓演説で「条件整えば訪朝」、首相に知日派知事内定

(2017/5/10 14:00)

  • 10日、韓国・ソウルの国会本会議場前のホールで就任宣誓を行う文在寅大統領(EPA=時事)

【ソウル時事】韓国の革新系「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)氏(64)が10日、第19代大統領に就任した。文氏は正午(日本時間同)すぎ、国会本会議場前のホールで略式の就任式を開き、就任を宣誓。その後演説し、米国、中国、日本訪問に意欲を示し、「条件が整えば平壌も訪れる」と表明した。

韓国メディアによると、新首相には李洛淵・全羅南道知事(64)が内定した。李氏は大手紙・東亜日報の東京特派員、韓日議員連盟の幹事長などを務めた知日派。任命案が国会で承認されれば、首相として慰安婦問題など対日政策に積極的に関与するとみられる。

文氏は演説でこのほか、「朝鮮半島での平和定着のためならば、できる限りのことをする」と強調、「北朝鮮核問題を解決する土台も整える」と約束した。また最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備問題解決のため米中両国と真摯(しんし)に交渉すると明らかにした。

中央選挙管理委員会は10日朝に全体会議を開き、文氏の当選を宣言。文氏は就任してさっそく李淳鎮・軍合同参謀本部議長から北朝鮮の動向について電話で報告を受け、態勢に万全を期すよう指示、公式業務を開始した。午前には朝鮮戦争の戦没者らが眠るソウルの国立墓地を参拝した。

文氏の大統領就任で過去2代続いた保守政権から交代し、9年ぶりとなる革新系政権が誕生。朴槿恵(パク・クネ)前大統領(65)の罷免に伴う最高指導者不在状態は解消され、文氏の下で韓国は新時代を迎えた。文氏は10日午後2時半から記者会見を行い、首相人事などを発表する。

中央選管は開票作業を終え、文氏は1342万3800票(得票率41・08%)を得て当選した。保守系「自由韓国党」の洪準杓氏(62)は785万2849票(同24・03%)、中道系「国民の党」の安哲秀氏(55)は699万8342票(同21・41%)で、文氏は2人に大差をつけた。

大統領の任期は5年。大統領罷免に伴う選挙だったことから、通常は2カ月近い政権移行期間がなく、大統領任期は中央選管が当選を確定した時点で開始された。

(2017/5/10 14:00)

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