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[ 科学技術・大学 ]
(2017/6/7 05:00)
九州大学大学院医学研究院の中島欽一教授と慶応義塾大学医学部の岡野栄之教授らは、ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)由来の神経幹細胞を低酸素培養し、神経細胞への栄養供給などを行う細胞「アストロサイト」へ従来の7分の1の期間で分化することに成功した。発達障害の発症原因の解明や、新たな治療薬開発につながる。成果は7日、国際学術誌ステム・セル・リポーツ電子版に掲載される。
iPS細胞からアストロサイトへの分化は通常、約200日かかる。分化までの日数が長いために、アストロサイトの機能の解析は進んでいなかった。
研究グループは、神経細胞が存在する体内の酸素濃度が1―5%であることに注目。ヒトiPS細胞由来の神経幹細胞を、酸素濃度1%で培養すると、約1カ月でアストロサイトに分化できた。
さらに、進行性の神経発達障害「レット症候群」の患者のiPS細胞をアストロサイトへ分化させ、その上で神経細胞を培養すると、レット症候群患者の特徴を再現していた。
(2017/6/7 05:00)
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