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[ 科学技術・大学 ]
(2017/7/4 05:00)
京都大学大学院の江口浩一教授らとノリタケカンパニーリミテド、IHI、日本触媒、豊田自動織機、三井化学、トクヤマの研究グループは、アンモニアを燃料とする固体酸化型燃料電池(SOFC)で1キロワットの発電に成功した。アンモニアSOFCでは世界最高の発電規模だという。住宅1軒分の1日の電力をまかなえる出力となる。有害物質や温暖化ガスが発生しない発電の実用化に期待できる。
研究グループは汎用的なSOFCのセルとして、電圧や出力を高める導電性材料を挟みながら30個重ねた集合体(スタック)を使用。通常の都市ガスに代えてアンモニアを燃料として供給し、1キロワットの発電を実現した。
7立方メートルのボンベで、1キロワットの発電が約3日続けられる。今後、セルの量を増やし、コンビニエンスストアなど小規模商業施設で使える3キロ―5キロワットの業務用で実用化を目指す。
水素エネルギーの利用には、化学的に安定した液体として保存や消費地への輸送ができるエネルギーキャリアが必要。アンモニアは炭素を含まず水素の割合が多い物質のため、生産や運搬、保存の方法が確立している。
江口教授は「アンモニアを燃料として使用する考えが浸透すれば普及が可能」とみている。
内閣府の支援事業「戦略的イノベーション創造プログラム」(SIP)の一環。成果は9―12日にチェコのプラハ市で開かれる「第7回世界水素技術会議」で発表する。
(2017/7/4 05:00)