[ オピニオン ]
(2017/7/21 05:00)
東京―大阪間を移動する時、新幹線と飛行機のどちらを使われるだろうか。実時間でも費用でも決定的な差はない。8割が新幹線を選んでいるそうだが、駅・空港のどちらが目的地に近いかで決める人も多いようだ。
長距離輸送のスピード競争は今に始まったことではない。かつて東京―名古屋間の定期航空路は東海道新幹線開業で廃止に追い込まれた。現在は中部国際空港からの乗り継ぎ用として復活しているが、この距離では新幹線が有利だ。
それに比べて東阪間は激戦だ。新幹線が新型車両でスピードアップして有利になったかと思えば、航空会社は早期予約割引や搭乗手続きの短縮で対抗。携帯電話に2次元バーコードをダウンロードしておけば、端末にかざすだけで搭乗できるようにした。
鉄道側の次の手はリニア中央新幹線である。開業すれば飛行機を圧倒しそうだが、まずは2027年の名古屋まで。大阪に伸びるのは28年後とずいぶん先になる。
鉄道の魅力は季節の移ろいを感じられる車窓にある。木々や田畑の色づきと陽光のきらめき。出張の合間の景色に心癒やされる方に軍配を上げたい。ただトンネルと遮音壁ばかりのリニアになったら、速さ以外の競争力はなくなるのかも…。
(2017/7/21 05:00)