[ オピニオン ]
(2017/7/20 05:00)
万座毛(まんざもう)などを擁する沖縄有数のリゾート地・恩納(おんな)村の国道を進むと、森の中に大きな建物が見えてくる。一見するとホテルのように見える。だが、ここは沖縄科学技術大学院大学のキャンパスである。
「森の中」は単なる例えではない。施設は周辺環境への影響を極小化するため、天然の森と隣り合わせ。山や谷、小川など自然の地形を残す。生物多様性の宝庫である沖縄で、自然科学を研究することへの意志を反映させた。
同時に「技術」を掲げることから、学内には先端的な機器が随所に配置される。教員・学生の過半数は外国人。複雑な建築構造と相まって「まるで特撮モノの秘密基地」と、興奮気味に話す視察者もいる。
一般の見学も可能だ。7月からは第2・第4土曜に限り、学生による案内ツアーを開始。ガイドのうまさに感心するが、学生らしい利用者目線のコメントが楽しい。広報担当者によると「8月分まで満員」という人気ぶりだ。
国が資金提供する大学として開学から約6年。国際的に学術分野で知名度が上がっているが、産学連携を加速するには、より広範に認知度を高めることも必要だろう。“おんなの秘密”に触れられるこのツアーが、その一助になることを期待したい。
(2017/7/20 05:00)