[ オピニオン ]
(2017/7/27 05:00)
夏祭りのシーズン。提灯(ちょうちん)の下に縁日の屋台が並び、団扇(うちわ)を手にした浴衣姿の男女が行き交う。日常と違う街の景色には日本の情緒がある。
ところが、まったく別の夏祭りが各地で定着しつつある。野外でのコンサート、いわゆる「野外フェス」である。今週末には観客10万人超の巨大イベントとして知られる「フジロック・フェスティバル」が新潟県湯沢町の苗場スキー場で開かれる。
他の野外フェスの開催情報をみると、ロックばかりでなく、ジャズやレゲエなど幅広いジャンルで、規模も大小さまざま。複数のバンドやアーティストが出演するので、初めてライブを聴いて好きになる発見もある。
大抵は野原にステージを作っているので、後方で座ってアルコールを飲みながら、のんびりと演奏を流し聞けばいい。夕暮れ時にステージの周囲が刻々と夜に移っていく風情も、夏の野外ならでは。
以前に参加して意外だったのは、観客が若者ばかりではないことである。子連れの夫婦や中高年の姿も珍しくない。フジロックでも28日には、80歳になった“若大将”の加山雄三さんがゲスト出演する。盆踊りと違って多くの場合、入場は有料だが、家族で野外フェスを楽しんでみるのも悪くない。
(2017/7/27 05:00)