[ 機械 ]
(2017/8/1 05:00)
機械加工からバリ取り・洗浄までの工程に必要な装置をそろえたスギノマシンの「一貫対応ライン」。加工を担うマシニングセンター(MC)とバリ取り・洗浄をする洗浄機を高さ900ミリメートルを境に、上を白、下を灰色で統一するなど全体を調和させたデザインが目を引く。それは見た目のみでなく、“人に優しいデザイン”を追求した結果でもある。
保守時に下部の扉を開けられる取っ手は色の境目に設けた。「立っている状態で手をかけやすい高さ」(杉森正新規開発部開発プロジェクト二課長)にしつつ、その位置を色の分け目にして扱いやすさと構造の理解のしやすさの双方を狙った。
機能を直感的に示す工夫は他にもある。装置間で加工物を受け渡すロボットは支柱を軸に旋回するが、支柱は設計しやすい角柱ではなく「旋回の動作を分かりやすく表現できる円柱にした」(青木卓也同部開発プロジェクト二課リーダー)。角柱に比べ内部空間を利用しづらく、設計難度は上がったが、部品の効率のいい配置を試行錯誤して作り上げた。
MCなどの加工機、洗浄機、ロボットで拠点が3カ所の事業所に分散している中、デザインの調和を図ったのは初めて。そこで2週間に1回程度、デザインの会議を開き、「情報やCADデータを共有し、横に展開するようにした」(光江豊彰生産統括部応用開発部応用開発一課長)。
扉や照明といった共有できる機能の設計は横展開し、カバー用パネルの幅、その間のすき間の幅も統一。ボルトは外から隠すなど見た目の良さも配慮した。ただ、「デザインを重視するとコストが上がる。折り合いを付けるのに苦労した」(豊岡祐二同部第二技術部SC設計課一係チーフ)。いいアイデアが出ると、それを他事業所にも知らせ、問題を解決していった。
木村一夫同部応用開発部長は「こうしたシナジーを今後の製品づくりに生かせば、さらなる可能性が広がる」と期待する。一貫対応ラインの開発経験は同社に“設計の一貫化”という新境地を開こうとしている。
(富山支局長・江刈内雅史)
(2017/8/1 05:00)
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