[ オピニオン ]
(2017/8/17 05:00)
大阪と京都を結ぶ私鉄大手の京阪電気鉄道が、有料の座席指定車両「プレミアムカー」の営業運転を20日に始める。約16億円を投じて「8000系」特急車両(8両編成)の6号車(計10両)を改造した。
試乗会で一足早くプレミアムカーに乗った。座り心地の良い横3列シートにはコンセントと大型テーブルが備え付けられ、専属のアテンダントが特別感を演出する。大阪・淀屋橋―京都・出町柳間で運賃470円に対し、加算される料金は500円。毎日約100本を運行する予定だ。
1910年(明43)の開業以来、京阪で有料の座席指定車両は初めて。井上欣也取締役は「今の時代、価値あるものにはお金を払ってもらえる。大阪から京都へ向かう訪日外国人需要も見込める」と狙いを語る。
関西で有料特急を走らせているのは、近畿日本鉄道と南海電気鉄道だけだ。ただ両社とも全車両が有料なのに対し、京阪は8両中1両だけが有料。いわばJRのグリーン車のようなものだろう。
価格が2倍になる特別車両の導入に、コストにシビアな関西人がどう反応するかは興味あるところだ。外国人を含む観光客だけでなく、沿線客にも利用してもらえるような魅力を訴えられるか、勝負どころである。
(2017/8/17 05:00)