[ オピニオン ]
(2017/9/22 05:00)
吹く風が心地よく感じられる日が増えてきた。衣替えの季節が近づくと、気になるのは日々の気温の変化である。
気象庁が2018年度の概算要求に「2週間気温予想」という新事業を計上した。予算が獲得できれば来年6月に、現在の「異常天候早期警戒情報」を置き換えてスタートする。
これまでの早期警戒は、2週間以内に異常な低温・高温が30%以上の確率で見込まれる場合、全国11の地方別に臨時情報を出す仕組み。農産物関係はもちろん、衣料の製造・販売や電気関係の事業者が利用している。
新たな2週間気温予想は確率ではなく、前後2日ずつを含む5日間の平均気温をある程度の幅の温度で示し、定期的に発表する。地域も全国70区分と、ほぼ県ごとにして、陽気に左右される企業が利用しやすくする。日本再興戦略に盛り込んだ「産業分野での気象情報の利活用」の一環だ。
難問は降水確率に比べて気温予想がなかなか当たらないこと。同庁幹部はスーパーコンピューターの整備やレーダーの高度化などで「精度を上げたい」と話す。定期フェリー航路での洋上観測など新たな手法も研究中とか。定かならぬ“秋の空”の行方をきちんと見極められるよう、精進をお願いしたい。
(2017/9/22 05:00)