[ オピニオン ]
(2017/9/25 05:00)
東京・上野の国立科学博物館で開催中の展示会「深海2017」を見てきた。休日で混雑が予想されたが、整理券を受け取って入場するまで2時間近くかかった。
生態が未解明だった生きたダイオウイカの撮影に成功し、4年前にテレビ放映されたことで、深海生物に興味を持つ人が増えている。水深1000メートルで1平方センチメートル当たり100キログラムという高い水圧を受ける極限環境で生きる深海生物は謎が多い。
例えば透明な頭の中に大きな緑色の眼を持つデメニギスという深海魚。潜水艇で観察する以前、網で捕らえられていた時は、圧力で透明なドームが壊れてしまい、頭から眼が飛び出した魚だと考えられてきた。
深海探査で見えてきた巨大災害のメカニズムや深海に眠る資源も紹介している。水深約6890メートルの海底下約820メートルから採取した断層の試料は、東日本大震災発生の解明に貢献した。
深海は人類に残された最後のフロンティアといわれる。日本近海に存在が見込まれるメタンハイドレートや希土類などレアメタルの資源開発も期待される。採掘量や採算性の課題はあるが、日本が誇る技術力で乗り越えてほしい。ただし、くれぐれも関係者はプレッシャーに押しつぶされないように…。
(2017/9/25 05:00)