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[ エレクトロニクス ]
(2017/10/19 12:00)
韓国のサムスン電子は18日、当初の計画に対し3カ月前倒しで8ナノメートル(ナノは10億分の1)プロセスの半導体チップの生産に入る準備が整ったと発表した。現行の10ナノメートルチップと同じ「ロー・パワー・プラス(LPP)」プロセスで製造され、より微細な電子回路作製への適用が期待される極端紫外線(EUV)露光装置は使わない。EUVは次の7ナノメートルプロセスから導入するという。
8ナノチップは現行の10ナノチップに比べ、消費電力や面積がいずれも10%削減。チップの用途としては、モバイル端末はじめ、仮想通貨、ネットワーク、サーバー関連などに向くとしている。
とりわけモバイル分野で、サムスンは米クアルコムのモバイル用プロセッサー「スナップドラゴン」を人気スマートフォンの「ギャラクシーS8」などに採用し、クアルコム最大のユーザーであると同時に、クアルコムは半導体受託製業者(ファウンドリー)であるサムスンにとっての最重要顧客という関係にある。
ただ、報道によれば、クアルコムが7ナノのプロセッサーで世界最大のファウンドリーである台湾TSMCに乗り換えるのではないか、との噂も一部で出ているという。
それに対し、今回のサムスンのニュースリリースには「8ナノのTPPプロセスは10ナノプロセス技術を使いながら、10ナノより高い性能と拡張性を提供してくれる」という内容のクアルコム上級副社長のコメントを載せ、両者の蜜月ぶりをそれとなくアピール。さらにEUVによる7ナノプロセスの開発状況について米国、韓国、日本に続き18日には独ミュンヘンでファウンドリーフォーラムを開き、技術の優位性を強調している。
(2017/10/19 12:00)