[ オピニオン ]
(2017/10/25 05:00)
スポーツの秋―。この週末に職場対抗の運動会を実施する企業もあるだろう。競技を終えたら勝者をたたえる表彰式を催して、さらに盛り上がりたいところ。だがトロフィーや優勝カップ、メダルなどの「賞品」に値上げの波が押し寄せているという。
これら記念品を扱う販売店によると、ある有力メーカーが来年商品カタログを全面改訂する。記載価格の見直しに加え、効率化のためラインアップの集約も検討しているそうだ。
従来は得意客にサービスしてカタログ価格より割り引くこともあった。今ではコストに見合わない商品が出ているという。背景にあるのは原価の高騰である。
真ちゅう、銀のような色彩のアンチモニーなどの定番材料の価格は、一時より落ち着いたとはいえ高値水準にある。多くは中国で加工しているが、現地の人件費上昇が止まらない。しかも為替市場は一時の超円高が是正され、円安に振れた。
社内運動会は社員の結束を促し、職場に活力をもたらす。記念品の材料や加工の品質をケチるのはためらわれる一方、多くの企業で常に経費削減の号令はかかっている。一時は下火だった運動会が再び盛んになるには、トロフィーやカップが担う役割は大きいと思うのだが…。
(2017/10/25 05:00)