[ オピニオン ]
(2017/10/30 05:00)
木の葉が色づき始めた飛騨地方を旅した。合掌造り集落の白川郷をひと回りし、陣屋や昔のままの商家が並ぶ高山の町並みを散策。江戸時代にタイムスリップした。
富士山や京都を回る“ゴールデンルート”からは外れるが、大勢の外国人がいることに驚く。中国や台湾、韓国からの団体客だけでなく、リュックを背負った欧米からの個人旅行者も少なくない。
政府は2003年、10年までに外国人旅行者1000万人を目指すビジット・ジャパン事業に着手した。リーマン・ショックや震災による減少もあったが、13年に1000万人を達成。16年は2404万人に達した。東京五輪の20年に4000万人の目標を新たに設定した。
岐阜県高山市は11年に海外戦略室を設置。官民連携で飛騨高山国際誘客協議会を設け、個人旅行者向けの案内表示や地図の多言語化、無線LANの整備などを進めている。同協議会は昨年、ジャパン・ツーリズム・アワード大賞を受賞した。
4月には海外戦略室が部に昇格。主査の葛井孝弘さんは「文化やマナーの違いなど課題もあるが、相互理解を深めていきたい」という。観光は地方創生の有力なツールであり、工夫と努力次第で集客を増やせる実例と感じた。
(2017/10/30 05:00)