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[ 環境・エネルギー ]
(2018/1/19 22:30)
東京電力は福島第一原子力発電所2号機の格納容器内部調査の結果、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)と思われる堆積物を撮影できたと発表した。19日の早朝から釣りざお型ロボットを投入し、圧力容器を支える円筒状の構造物(ペデスタル)の地下階にカメラを降ろした。ペデスタル地下階の底では小石状や粘土状の堆積物が全体に広がっていた。小石状のデブリは米スリーマイル島原発事故でも確認されており、東電は燃料デブリであると考えている。
堆積物の近くには燃料集合体のハンドルなどの部品が散乱していた。核燃料が溶融し、破損して広がっていると考えられる。小石状と粘土状など複数の形態の堆積物を撮影できたため、今後、性状の推定を進める。
調査にあたり東芝と国際廃炉研究開発機構(IRID)が釣りざお型ロボを開発した。格納容器の穴からさおを伸ばしてペデスタル内部に送り、約16m先に調査ユニットをぶら下げた。2017年の調査でペデスタル一階の格子状床に、デブリが溶かして空いたと考えられる穴があった。この穴から調査ユニットを垂らして地下階を撮影した。
ペデスタル地下階では、開口部から外に燃料デブリが広がっている可能性があった。ただ開口部の状況は直接確認できなかった。開口部の手前にCRD交換機という装置があり、装置の奥は見えていない。この映像に画像処理をして開口部の状況を確かめる。CRD交換機には大きな損傷はなく、他に大きな構造物が落下していることもなかった。ペデスタル内部をおおむね撮影できたため、画像処理で画像を鮮明化すれば、全体の状況が把握できると期待できる。東電は燃料デブリの取り出し方法を検討する上で、重要な情報を得られたとしている。
(2018/1/19 22:30)