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[ 科学技術・大学 ]
(2018/2/16 05:00)
【仙台】東北大学大学院工学研究科の成田史生教授と東北特殊鋼の研究グループは、圧電素子以上の振動発電機能を持つ複合金属材料のクラッド鋼板を開発した。IoT(モノのインターネット)センサー用の電源や、省電力が課題の電気自動車(EV)への利用を見込む。
冷間圧延鋼板と鉄・コバルト系磁歪材料の冷間圧延板を熱拡散接合した。微少な振動の場合、圧電素子の25倍を超える振動発電出力を確認した。
クラッド鋼板を振動発電器に使用する際は単純な曲げ振動で発電でき、板面方向の伸縮を大きくするための複雑な構造が必要ない。
生活振動や工場設備などの小さな振動を利用できる他、強靱(きょうじん)で衝撃に強いのが特徴。鉄道車両や自動車などの走行振動、風力・水力などを使ったエネルギーハーベスティング(環境発電)への応用が期待される。
両者は2013年に弘前大学と磁歪材料を開発。16年に東北特殊鋼の鋼材工場で設備の振動を用いたIoTセンサーシステムの試験運用を始めた。
(2018/2/16 05:00)